第63回愛媛県視覚障害者福祉大会
第63回愛媛県視覚障害者福祉大会が6月10日、愛媛県松山市の愛媛県視聴覚福祉センターを会場に、会員・関係者約220名が参加して開かれた。
開会式では、主催者挨拶の後、福祉、スポーツ功労等に対する表彰状の贈呈、来賓祝辞や祝電披露、受賞者代表者謝辞などが行われた。
続いて午前の部では 「さわっておどろく手学問のすゝめ」―視覚障害者福祉・文化の新たな可能性を求めてーと言う壮大なテーマで、講師国立民族学博物館准教授 広瀬浩二郎先生の講演があった。
広瀬准教授は13歳で失明。京都大学に進学し、同大大学院で文学博士号を取得した。日本宗教史、障害者文化論が専門。広瀬准教授は視覚障害者を「視覚を使わずに見えない世界を見る人々」と定義。健常者が視覚障害者に抱くイメージを「『かわいそう』『頑張っている』だけでなく、ユニークな人ととらえられないか」と提案した。
日本史を研究していた学生時代には、古文書を読む代わりに土器や仏像に直接触れることで魅力や本質を学んだと紹介した。「健常者も触ることで発見がある。私たちは触覚で情報を得るのが上手で、健常者も私たちから学ぶことがある。見えている人がサポートするという一方向から、双方向に矢印が向くようになる」と新たなコミュニケーションのあり方を提唱した。
午後の部では、テーマ「新法人に向けて」―協会の将来像を語り合おうーで説明会を行った。和田浩一会長と惟任力義常務理事が、新法人の組織的な事や会員の事、また今までとどう変るか、あるいは特には変った事のない事等を叮嚀に説明した。会場の参加者の質問にも答え、今後、公役法人になり、更なる協会への協力と発展を進めていけるよう語った。
最後に宣言と決議が高らかに朗読され、参加者全員一致で採択された。
盛会のうちに福祉大会は終了した。
- 目的
県下の視覚障害者とその関係者が一堂に会し、当面する諸問題について 研修・討議することにより視覚障害者福祉が一層向上することを目的とする。 - 主催
財団法人 愛媛県視覚障害者協会 - 後援
愛媛県・愛媛県障害者社会参加推進センター・愛媛県共同募金会・
愛媛新聞社・NHK松山放送局・南海放送・テレビ愛媛・あいテレビ・
愛媛朝日放送 - 日時 平成24年6月10日(日) 10:00~14:30
- 場所 愛媛県視聴覚福祉センター4F 多目的ホール
松山市本町6丁目11-5 電話089-923-9093 - 主題 「描こう私たちの手で!新しい視覚障害者福祉」
- スケジュール
- 9:00 受付
- 10:00 開会式
(1) 会歌斉唱 (2) 黙祷 (3) 会長挨拶
(4) 会長表彰 (5) 来賓祝辞(6) 来賓紹介
(7) 祝電披露 (8) 受賞者代表謝辞 - 10:40 講演 「さわっておどろく手学問のすゝめ」
―視覚障害者福祉・文化の新たな可能性を求めて―
講師 国立民族学博物館准教授 広瀬 浩二郎 先生 - 12:00 昼食・休憩
- 13:00 説明会 テーマ「新法人に向けて」―協会の将来像を語り合おう―
- 14:00 宣言・決議
- 14:20 閉会式
- 14:30 閉会
【会長表彰受賞者】(敬称略)
- 自立更生 西条支部 眞鍋 ひとみ まなべ ひとみ
- 自立更生 今治支部 山本 喜一 やまもと きいち
- 更生援護功労 新居浜支部 日浅 定美 ひあさ さだみ
- スポーツ功労 新居浜支部 芝田 優 しばた まさる
- スポーツ功労 松山支部 明比 宣彦 あけび よしひこ